今回もPHILLIPSの日本でのPR担当であるマーティンさんに聞いた最新情報を投稿致します。これまで一般的販売されてなかった時計が市場に出るという貴重な瞬間が今回の目玉です!

11月5日、7日に、ジュネーブのホテル la Réserve でPHILLIPSとBacs&Russo社が共同で開催する「ジュネーブ時計オークションXIV」において、ロレックスの「ディープシー・スペシャル」のステンレススチールとゴールドのセンターセコンド付き超深海潜水腕時計が登場する。このモデルは 1965 年に製造されたもので、想定価格は 1,200,000-2,400,000スイスフランだ。

ディープシー・スペシャルは現在のロレックス神話を確立した時計であり、常に技術的な可能性の限界に挑戦し、他の時計が成し遂げたことのない偉業を達成している。

今回出品される「ディープシー・スペシャル」は、ロレックスの歴史の中でも重要な意味を持つモデルである。 1950年代、防水時計の需要の高まりを受け、ロレックスは、レジャー、プロフェッショナル、ミリタリーのいずれに対しても、オイスターケースを推し進めた。ロレックスは、単に防水性を高めるだけでなく、深海からの非常に高い水圧にも耐えられるようなプロフェッショナル用の時計の開発を進め、それまでのどのモデルよりもさらに進化させた。最も特筆すべきことは、この革新的な決断が、1953年にダイバ ーのための水中ツールウォッチ「サブマリーナ」を発表した時期と重なったことだ。

ロレックスは、スイスの著名な海洋学者・技術者であるピカール教授よる潜水実験で時計をテストした。ロレックスの技術者たちは、教授のテストのもと研究を積み重ね、特殊なケースとドーム型のクリスタルを備えた極限の圧力に耐えうる時計の開発に着手した。

1953 年、ロレックスは最初の試作品を潜水艇「トリエステ号」の外側に装着して実験を行い、1,080m でのテストを経て、同年、3,150m での潜水実験も実施している。これらのテストを終え、1960 年には 2 つ目の試作品を携えて第 2 のミッションに乗り出した。新型モデルを高圧室で事前に実験し、細部を微調整しながら、常に改良してきた。この時に作られた新しい”ディープシー・スペシャル”は、海面下 10,000 メートル以上の最も過酷な条件に耐えるよう設計された。この実験はピカール教授のほか、アメリカ海軍ドン・ウォルシュ大尉と共に、地球上で最も深いとされるマリアナ海溝で行われている。フィリップスが知る範囲では、最初に製造された一部は他の実験に使われ、一部はピカール教授に託された。1960年に行われた深海潜水に成功した後、ロレックスは、この偉業を称えて記念シリーズを製作した。 このモデルの開発に貢献した最高の科学技術博物館、時計博物館、長年の付き合いのある販売店、著名なパートナーや経営者のみに提供されている。バチスカーフに取り付けられた”ディープシー・スペシャル”ナンバー3 は、現在、ワシントン D.C.のスミソニアン博物館に展示されている。他にも、バイエル博物館、ロンドン科学博物館、ニヨン ピカール博物館(スイス)なども所蔵している。

この種の時計が一般に販売されたのは過去に5個だけだ。
最後の1個が市場に出てから12年が経過し、ほとんどの個体が博物館などに保管されていることから、次に市場にいつ出てくるかは明確ではない。